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相続手続き 2025.11.12

相続と生命保険の関係|税金・非課税枠・活用法まで

はじめに|

相続に関係する保険、特に「生命保険」は、相続税対策や遺産分割を円滑に進めるために非常に重要な役割を果たします。

本記事では、

生命保険金と相続の関係

相続税への影響

活用の具体例

を法的根拠とともにわかりやすく解説します。

生命保険金は相続財産に含まれる?

生命保険金が「相続財産」に含まれるかどうかは、保険金の受取人が誰かによって異なります。

受取人が被相続人自身(本人)

 → 生命保険金は相続財産に含まれ、他の財産と一緒に遺産分割の対象となります。

受取人が特定の相続人など別人

 → 保険金はその人の「固有の財産」とみなされ、相続財産には含まれません(民法第896条)。

相続税と生命保険|「みなし相続財産」と非課税枠

生命保険金は、相続税法上「みなし相続財産」(相続税法第3条)として扱われ、課税対象となる場合があります。ただし、以下の非課税枠が適用されます。

非課税枠の計算式

500万円 × 法定相続人の数

例えば、法定相続人が3人(妻と子ども2人)なら、非課税枠は「1,500万円」まで。

非課税枠が適用される条件

・保険金の受取人が法定相続人であること

相続放棄した人も「非課税枠の人数」にカウントされる

税金の種類は契約者・被保険者・受取人の関係で変わる

例えば、病気などで被保険者である(夫)が死亡し、保険金受取人が死亡保険金を受け取った場合には、被保険者、保険料の負担者および保険金受取人が誰であるかにより、所得税、相続税、贈与税のいずれかの課税の対象になります。

被保険者保険料の負担者保険金受取人税金の種類
所得税
相続税
第三者贈与税

(国税庁HP 死亡保険金を受け取ったとき https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1750.htm )

相続対策として生命保険を活用するメリット

生命保険を賢く活用することで、次のような相続上のメリットが得られます。

① 相続税の非課税枠を活用できる

生命保険特有の非課税枠により、相続税の負担を大幅に減らすことが可能です。

② 遺産分割を円滑に進められる

保険金は受取人固有の財産なので、遺産分割協議を経ずに即時に受け取れます。

③ 納税資金として使える

相続税は現金での一括納付が原則。保険金を納税資金として準備することで、資産の売却リスクを回避できます。

④ 相続放棄しても受け取れる

相続放棄した場合でも、保険金は受取人個人の財産のため、支障なく受け取れます(民法とは別扱い)。

生命保険活用の具体例

ケース1:相続税の軽減

家族構成:被相続人(夫)、相続人(妻・子ども2人)

死亡保険金:1,500万円

→ 非課税枠(500万円×3人=1,500万円)内であれば、相続税はかかりません。

ケース2:納税資金の確保

被相続人が不動産中心の資産を保有

死亡保険金を活用して現金納付を実現

→ 不動産の売却不要で納税可能。

ケース3:代償分割

長男に不動産を相続させたい場合

→ 他の相続人に保険金を渡し、代償金として調整可能。共有トラブルを防止

保険選びのポイントと注意点

目的に応じた保険を選ぶ

相続税対策:終身保険、一時払い終身保険

家族の生活保障:収入保障保険、定期保険

まとめ|生命保険は相続対策において極めて有効

生命保険は、単なる保障にとどまらず、相続税の軽減、納税資金の確保、遺産分割の調整まで対応できます。

ただし、契約形態や税制、非課税枠の条件には注意が必要です。

最適な保険活用を実現するには、専門家への相談をおすすめします。


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