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相続手続き 2025.11.12

相続税評価を下げる「不動産活用」3つの戦略

はじめに|

「相続税が心配…現金で払えるだろうか。」

これは不動産オーナーからの相続相談で最も多い不安の声です。相続税は、土地や建物の評価額に基づいて課税されるため、不動産を多く保有している方ほど負担が大きくなりがちです。

しかし、不動産の“活用方法”次第で、相続税評価額を大きく抑えることが可能です。

✅ 賃貸住宅にすると評価が下がるって本当?

✅ 貸地にするのは節税になる?

✅ 小規模宅地等の特例ってどんな制度?

本記事では、司法書士として相続・不動産に携わってきた経験をもとに、

相続税評価を下げる現実的な3つの戦略

各戦略のメリット・デメリット

実行時の注意点や失敗事例

について、わかりやすく解説します。

不動産活用と相続税評価の関係

不動産の相続税評価額は、現金や預金のように「額面=評価額」ではありません。

建物の種類や土地の利用状況、賃貸・貸地などの権利関係によって、評価額が下がる仕組みが存在します。

したがって、不動産を「活用」することは、相続税対策における重要な柱の一つです。

不動産活用の3つの戦略と評価減の仕組み

戦略①:賃貸住宅を建てる(貸家建付地評価)

更地や自宅用地に賃貸住宅を建築すると、以下のような評価減が可能になります。

土地:貸家建付地評価

 → 自用地評価額から「借地権割合 × 借家権割合」の分だけ評価減

建物:固定資産税評価額ベースで評価

 → 建築費よりも低く評価されるケースが多く、現金より有利

借地権割合は地域によって異なりますが、30〜50%程度の評価減が期待できます。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4614.htm

戦略②:小規模宅地等の特例の活用

「小規模宅地等の特例」とは、被相続人の自宅や事業用地などについて、一定の条件を満たせば土地の評価額を大幅に減額できる制度です。

自宅(特定居住用宅地等)

 → 最大330㎡まで 80%減額

事業用宅地(特定事業用宅地等)

 → 最大400㎡まで 80%減額

特例の適用には、同居や居住継続、事業継続などの要件があり、事前の計画が重要です。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm

戦略③:土地を貸す(貸宅地化)

自己所有の土地を第三者に貸すことで、「貸宅地」として評価され、以下の計算式で評価額が下がります。

貸宅地評価額 = 自用地評価額 ×(1 - 借地権割合)

借地権割合が60%の地域であれば、評価額は40%に抑えられます。

賃貸建築と比べて初期投資が低額で、地代収入も見込めるため、安定性のある選択肢です。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4613.htm

メリットとデメリットの比較

戦略メリットデメリット
賃貸化・貸家建付地評価で節税可能・建築費が高額
・家賃収入が得られる・空室リスクあり
小規模宅地特例・最大80%評価減・適用条件が厳しい
・要件を満たせば強力な節税策・居住継続や事業継続が必要
貸地化・初期投資が低額・売却時の権利調整が複雑
・地代収入が得られる・契約解除が困難

実行時の注意点

不動産活用による節税は有効な手段ですが、節税効果ばかりを重視すると失敗のリスクも高まります。

・建物を建てても空室が多ければ赤字になる

・貸地にした後に土地を売りたくなっても、借地権者との調整が必要

・小規模宅地特例も、相続人の選定や事前の手続きが重要

「節税」だけでなく「分割しやすさ」「管理のしやすさ」「収益性」まで含めた総合的な判断が必要です。

よくある失敗事例

・アパートを建てたが空室続きで赤字に

・自宅を相続した子が住まず、特例の適用要件を満たさなかった

・貸地化後、売却の際に借地権者とトラブルになった

専門家の視点と総合対策

司法書士としては、不動産の評価減だけでなく、

・家族信託

・贈与や遺言

・登記や契約の整備

といった法的・実務的サポートを一体的に行うことができます。

さらに、税理士・不動産会社と連携することで、より精度の高い相続対策が可能です。

まとめ|まずは初回無料相談へ

不動産の相続税評価を下げるには、法的知識・税務知識・不動産実務のバランスが求められます。

安易な対策は後のトラブルのもとです。

当事務所では、司法書士が中心となり、登記・遺言・信託などを活用した実行支援を行いながら、必要に応じて各専門家と連携しています。

「自分に合った方法を知りたい」

という方は、まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。


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不動産と相続に強い司法書士が、ご家族の想いに寄り添いながら、最適な解決策をご提案します。
「何から始めればいいか分からない…」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

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