第2章 親の死後「実家を売却したい」「平等に分けたい」時の名義変更戦略

導入:相続登記義務化の次に考えるべきこと
前回の記事では、2024年4月1日から相続登記が義務化され、3年以内に手続きをしないと過料の対象になること を解説しました。
義務化の基本ルールがわかったら、次に考えるべきは「誰の名義に、どうやって変更するか」という具体的な戦略です。特に50代・60代の皆様が直面しやすいのが、「実家をどう活用するか」という問題です。
ここでは、相続財産に不動産が含まれる場合に、「売却したいケース」や「きょうだいで平等に分けたいケース」など、司法書士に依頼したほうがよい具体的な事例と、その対処法について解説します。
1. 相続登記を専門家に依頼したほうがよい3つの具体的なケース
相続手続きは自力で行うことも可能ですが、以下のようなケースでは、司法書士に依頼することで、手続きのミスや将来のトラブルを未然に防ぐことができます 。
ケース1:相続登記を急ぐ場合(売却・納税資金捻出)
「相続した実家をすぐに売却して現金化したい」というケースです。
- 売却に名義変更は必須: 不動産を売却するためには、亡くなった方(故人)名義のままでは手続きを進められません。必ず相続人の名義に登記変更を完了させる必要があります。
- 急ぎの対応: 相続税の納税資金捻出のための売却を控えている場合などは、迅速かつ正確な相続登記が必要です 。司法書士は、登記から不動産売却の代理までの一連の流れを代行できる場合があります 。
ケース2:相続不動産を「平等に分けたい」場合
「実家に住む予定はないが、きょうだい間で公平に現金で財産を分けたい」というケースも多く見られます 。
- 中立なアドバイス: 司法書士は、相続人全員にとって中立な立場からアドバイスを提供し 、将来のことを考慮した適切な遺産分割をサポートします 。
ケース3:音信不通の相続人や未成年者がいる場合
手続きの複雑さが跳ね上がるのが、相続人の中に以下のような方がいるケースです。
- 疎遠・音信不通の相続人: 疎遠の相続人や音信不通の相続人がいる場合 、戸籍調査による相続人の特定や、遺産分割協議のための連絡調整が大変になります。
- 未成年者・認知症の方: 相続人に未成年者や認知症の方がいる場合 、家庭裁判所への特別代理人選任や成年後見の申立てなど、複雑な手続きが必要になります。
2. 「誰名義にしたらいい?」司法書士の視点
お客様から寄せられる具体的な疑問の一つに、「相続登記は誰の名義にしたらいいのか」というものがあります 。
実家を取得する方が決まっている場合はその方の単独名義にしますが、重要なのは、その後のトラブルを防ぐことです。
- 将来のトラブルを避けるために: 不動産をきょうだいで「共有名義」にしてしまうと、将来的に売却や賃貸に出す際に、共有者全員の同意が必要になります。誰か一人でも反対すると何も進められなくなり、次の世代への負担を残してしまいます。
- 司法書士によるアドバイス: 司法書士に依頼することで、遺産分割協議書の作成ミスを防ぎ 、お客様の事情に合わせて「長男が取得し、次男に現金を支払う(代償分割)」など、具体的な遺産分割のアドバイスを受けることが可能です 。
3. トラブルを防ぐ!依頼する司法書士の役割
私たち司法書士は、単に登記手続きを代行するだけでなく、以下のような役割を担い、相続人の皆様をサポートします。
- 登記ミス・書類ミスの防止: 登記漏れや、遺産分割協議書の作成ミスを防ぎます 。
- 中立な立場でサポート: 相続人全員にとって公平な立場からアドバイスを提供するため、話し合いをスムーズに進める一助となります 。
「平日の昼間は時間が取れない」 、あるいは「長期間、相続登記が未了の土地」で相続人の特定が大変な場合 も、専門家への依頼をご検討ください。
【次のステップ】
次回の記事では、お客様からよく寄せられる具体的な疑問として、「どのくらいの手間や費用がかかるのか」「ペナルティさえ納めれば相続登記をしなくていいのか」といった点について、Q&A形式で詳しく解説します。
次回の記事: 「【Q&A形式で解説】「誰名義」にすべき?手続きは「いつ」「どれくらい」かかる? https://atsutanomori-souzoku.com/blog/blog-231/」
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