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相続手続き 2026.01.24

家族信託で資産を守る!任意後見との違いや手続きの流れをプロが解説

家族信託で資産を守る!任意後見との違いや手続きの流れをプロが解説

はじめに

「親が認知症になったら、実家の売却や預金の解約ができなくなるのではないか?」

「将来、自分の判断能力が低下したとき、家族に負担をかけたくない」

このような、将来の財産管理や承継に関する不安をお持ちではありませんか? 従来の「遺言」や「成年後見制度」だけでは、柔軟な資産活用や、ご家族ごとの複雑な事情に対応しきれないケースが増えています。そこで今、注目されているのが「家族信託(民事信託)」です。

こんにちは。司法書士の雁部(かりべ)です。 私は司法書士として、数多くのご家庭の資産承継や管理の悩みに対し、法的な解決策をオーダーメイドで提案してきました。

本記事では、家族信託の仕組みから、よく比較される「任意後見」「遺言」との違い、そして具体的な手続きの流れまでを分かりやすく解説します。

この記事を読めば、あなたとご家族にとって「どの制度を利用するのが最適解か」が明確になります。大切な資産と家族の絆を守るために、ぜひ最後までお読みください。

目次

 • 家族信託(民事信託)とは?仕組みをわかりやすく解説

【徹底比較】家族信託・遺言・任意後見の決定的な違い

こんな悩みを解決!家族信託の具体的な活用スキーム

家族信託の手続きの流れと費用の目安

失敗しないために:司法書士に相談するメリット

まとめ:家族信託はオーダーメイドの資産管理術

家族信託(民事信託)とは?仕組みをわかりやすく解説

家族信託(民事信託)とは、一言でいえば「自分の財産を信頼できる家族に託し、管理・運用・処分を任せる制度」です。

これまでの制度では難しかった「元気なうちからの資産管理」や「二次相続(自分が亡くなった後の、さらにその次の相続)」の指定など、依頼者の希望を柔軟に叶えることができるのが最大の特徴です。

家族信託の3つの主要な登場人物

家族信託を理解するには、以下の3つの役割を押さえることが重要です。

委託者(いたくしゃ): 財産を持っている人(例:親)。財産を託す人。

受託者(じゅたくしゃ): 財産の管理・処分を任される人(例:子)。信頼できる親族などが就任します。

受益者(じゅえきしゃ): 信託された財産から利益を受ける人(例:親)。生活費や介護費などを受け取ります。

このように、信頼できる家族(受託者)が、本人の代わりに不動産の管理や預貯金の運用を行うことで、本人が認知症などで判断能力を失った後も、資産が凍結されるのを防ぐことができます。

【徹底比較】家族信託・遺言・任意後見の決定的な違い

多くの方が迷われるのが、「遺言」や「任意後見」との使い分けです。それぞれの制度には得意・不得意があります。

1. 遺言との違い:生前の管理ができるか

遺言は、自分が亡くなった後の財産承継(誰に何を渡すか)を決めるためのものです。あくまで効力は「死亡時」に発生するため、生前の認知症対策としては機能しません。

一方、家族信託は契約締結時から効力を発生させることができ、生前の財産管理と、死後の資産承継の両方をカバーできます。

2. 任意後見との違い:裁判所の関与と柔軟性

任意後見制度は、判断能力が低下した後に、家庭裁判所が選任した監督人のもとで後見人が財産管理や身上監護(施設契約など)を行う制度です。

任意後見のメリット: 施設入所や入院の手続きといった「身上監護(生活の支援)」ができる点。

任意後見のデメリット: 裁判所の監督下にあるため、積極的な資産運用や相続税対策などの柔軟な財産活用は制限される傾向にあります。

対して家族信託は、裁判所の関与がほぼなく、信託契約の内容に従って受託者(家族)が柔軟に財産の管理・処分を行えます。

賢い選択肢:制度の「併用」

実は、これらの制度はどちらか一つしか選べないわけではありません。「任意後見支援型信託」のように、主だった財産は信託で守りつつ、信託できない財産や身上監護については任意後見でカバーするという「いいとこ取り」の併用も可能です。

民事信託遺言任意後見
法律​信託法​民法​任意後見に関する法律​
制度の目的ー​ー​身上保護​
財産管理​ー​財産管理​
財産承継​財産承継​ー​
本人の能力<信託契約>
​信託契約を締結する​能力
​​<遺言による信託>
​遺言をする能力​
<遺言能力>
​遺言の内容を理解し、遺言の結果を弁識するに足りる意思能力​
<契約締結時>
​任意後見契約を​締結する能力​
<効力発生時>​
精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者​
本人の同意必要​ー​必要​
当事者委託者​本人​本人​
受託者​相続人​任意後見人​
受益者​ー​ー​
信託監督人​ー​任意後見監督人​
受益者代理人​ー​ー​
効力発生信託契約の締結​遺言の効力の発生​遺言者の死亡​家庭裁判所の審判​
対象財産任意に選択できる​任意に選択できる​任意に選択できる​
財産の活用方法​柔軟に選択できる​ー​限定的​
裁判所の関与の度合いほぼなし​ほぼなし​一定程度​

こんな悩みを解決!家族信託の具体的な活用スキーム

家族信託は、依頼者のニーズに合わせて自由に組み立てる「創造」的な制度です。ここでは具体的な活用例をご紹介します。

ケース1:配偶者なき後の安心設計(福祉型遺言信託)

「自分(夫)が亡くなった後、認知症の妻が財産管理できるか心配」というケースです。 親族に財産を託し、妻には定期的に生活費や医療費が給付される仕組みを作ることで、遺された配偶者の生活を守ることができます。

ケース2:障がいを持つ子の生活支援(親亡き後支援信託)

「障がいのある子が、親亡き後に財産を管理できない、あるいは浪費してしまう恐れがある」というケースです。 信頼できる親族を受託者とし、障がいのある子を受益者として設定します。毎月決まった金額を給付することで、長期にわたる生活の安定を確保できます。

ケース3:事業承継と議決権の管理

会社経営者が引退を考えているが、後継者の経営能力に不安がある場合です。 自社株式を信託しつつ、議決権(経営の舵取り)は指図できるように設定することが可能です。

家族信託の手続きの流れと費用の目安

家族信託を始めるには、専門的な契約書の作成や登記が必要です。一般的な流れは以下の通りです。

手続きのステップ

1. 初回無料相談・ヒアリング:現状の課題や希望を整理します。

2. 提案・見積もり:オーダーメイドの設計図を作成します。

3. 信託契約書の作成・締結:公証役場での手続きなどが含まれます。

4. 信託財産の登記・口座開設:不動産の名義変更や専用口座の作成。

5. 運用開始:期間の目安は2ヶ月〜半年程度です。

費用の目安

当事務所における民事信託サポートの費用例です。

基本報酬: 信託財産評価額 × 0.5%(税込0.55%) + 30万円(税込33万円)

最低料金: 40万円(税込44万円)

※登記費用は別途になります。​

※具体的は費用は、財産の金額、内容、スキームによって算出致します。​

※財産の規模や内容によって変動しますので、正確な費用は無料見積もりをご利用ください。

失敗しないために:司法書士に相談するメリット

家族信託は非常に自由度が高い反面、法的に不備のない契約書を作成するには高度な専門知識が求められます。

私たち司法書士は、単に書類を作るだけではありません。 依頼者様から詳しく事情をお伺いした上で、「遺言」「信託」「任意後見」の中から最適な組み合わせをオーダーメイドで提案します。また、税理士や金融機関、公証人との調整役(コーディネーター)として、複雑な手続きをトータルでサポートします。

まとめ:家族信託はオーダーメイドの資産管理術

家族信託は、ご家族の事情に合わせて「仕組みを創造する」制度です。

家族信託は、生前の財産管理から死後の承継まで柔軟に設計可能。

任意後見は「身上監護」に強く、遺言は「死後の指定」に特化している。

• それぞれの制度を併用することで、より盤石な対策ができる。

• 手続きは複雑なため、専門家によるコーディネートが不可欠。

「ウチの場合はどうするのが一番良いの?」と迷われたら、まずは専門家にご相談ください。早めの対策が、将来の安心と円満な相続につながります。

WEB予約・お電話でのご相談を随時受け付けております。お気軽にお問い合わせください。


相続・資産承継のご相談は「あつたの杜事務所」へ

不動産と相続に強い司法書士が、ご家族の想いに寄り添いながら、最適な解決策をご提案します。
「何から始めればいいか分からない…」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

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相続・遺言・家族信託・不動産承継の専門家として、
「しなやかに。資産と想いをつなぐ。」をテーマにサポートしています。