遺留分侵害請求とは?知っておくべき知識

はじめに|「遺言通りに分ければ問題ない」と思っていませんか?
被相続人が遺言書を残していても、相続人全員が納得するとは限りません。
そんなとき問題になるのが“遺留分(いりゅうぶん)”の侵害です。
この記事では、司法書士の立場から、
✅ 遺留分の仕組み
✅ 誰にどれだけ権利があるのか
✅ 請求手続きと注意点
を分かりやすく解説します。
1. 遺留分とは?|相続人に認められた最低限の取り分
遺留分の定義
遺留分とは、遺言があっても一定の相続人に保障される最低限の相続権です。
例えば「全財産を長男に相続させる」と遺言があっても、他の子や配偶者は遺留分を請求できます。
誰に遺留分がある?
相続人 ー 遺留分の有無
配偶者 ー あり
子(実子・養子) ー あり
直系尊属(親など) ー 子がいない場合に限りあり
兄弟姉妹 ー なし
| 相続人 | 遺留分割合 |
|---|---|
| 配偶者のみ、直系卑属(子など)のみ、配偶者と直系卑属(子など)、配偶者と直系尊属(父母など)の場合 | 2分の1 |
| 直系尊属(父母など)のみの場合 | 3分の1 |
| 兄弟姉妹のみの場合 | 遺留分なし |
2. どんなときに遺留分侵害が問題になる?
✅ 遺言で特定の相続人に全財産を遺贈した場合
→ 他の相続人の遺留分を侵害している可能性あり。
✅ 生前贈与で特定の子に不動産を与えていた場合
→ 相続開始から10年以内の贈与は遺留分計算に含まれます。
✅ 第三者(内縁配偶者や他人)に多く遺贈した場合
→ 法定相続人の遺留分を侵害している可能性あり。
3. 遺留分侵害額請求とは?|取り戻すための法的手段
遺留分が侵害された場合、相続人は「遺留分侵害額請求権」を行使できます。
2019年改正ポイント
従来の「物権的請求(遺留分減殺請求)」から、「金銭請求」に変更されました。
請求の流れ
①内容確認
遺言・贈与内容、相続人構成、評価額を把握
②相手方特定
遺贈や贈与を受けた者が対象
③内容証明郵便で請求
書面で正式に請求意思を伝達
④交渉・合意
任意支払いがなければ調停・裁判へ
請求には時効があります!
相続開始と侵害を知った時から1年以内
相続開始から10年で完全消滅
→ 知った時点で迅速な対応が必要です。
4. よくある質問(Q&A)
Q. 相続財産が不動産だけで現金がない場合は?
→ 金銭請求のため、物納や分割払い、売却協議が必要。
Q. 「長男に全財産を相続させる」という遺言は有効?
→ 有効。ただし、他の相続人の遺留分侵害部分は請求可能です。
Q. 遺留分を放棄することはできる?
→ 生前放棄は家庭裁判所許可が必要。
5. まとめ|遺留分は最低限の権利。遺言だけでは解決できない
- 遺留分は配偶者・子・親の最低限権利を守る制度
- 兄弟姉妹には遺留分なし
- 請求権は金銭請求のみ
- 時効は「知ったときから1年」「相続開始から10年」
相続トラブルを避けるには、事前の設計がカギ
司法書士として、
・遺言作成支援
・遺留分を考慮した遺産設計
を行っています。
「この遺言で大丈夫だろうか?」
「どのように遺言書を作成していけばよいだろうか?」
そんな疑問があれば、お気軽にご相談ください。
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