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相続手続き 2025.11.12

債権・債務、リース契約など相続時の手続きの基本

はじめに|

相続手続きでは、預貯金や不動産などの「プラスの財産」だけでなく、貸付金・借入金といった「債権・債務」、さらにはリース契約などの「契約関係」についても正確な確認と処理が必要です。これらは相続人が引き継ぐ内容に直結するため、手続きを誤ると後日トラブルに発展する可能性があります。

貸付金(債権)

まず、貸付金(債権)についてです。故人が会社や個人に貸し付けていた金銭は、相続財産として評価されます。

遺産分割協議によって、誰がその債権を承継するかを決定し、承継した相続人が債務者に対して通知を行い、回収手続きを進めます。

故人が会社役員で、その会社に貸付をしていた場合も同様に相続財産となります。

仮に貸付金が回収不能な状態でも、法的には相続財産として扱われ、相続税の課税対象となることがあります。

借入金(債務)

次に、借入金(債務)についてです。故人に借金や債務がある場合、原則として相続人全員が連帯してその責任を負います。

借入金の確認には、遺留品の中にある「金銭消費貸借契約書」や「借用書」、または金融機関からの通知書・請求書を確認します。

借入内容によっては、相続放棄や限定承認を検討する必要があるため、早期に債務状況を把握することが重要です。

債務と保険(団体信用生命保険)にも注意が必要です。

故人が住宅ローンなどを利用していた場合、多くは団体信用生命保険(団信)に加入しています。

この保険は、債務者である故人が死亡したとき、保険金によって残債が完済される仕組みです。

そのため、このケースでは相続人が借入金を引き継ぐ必要はなく、相続債務は発生しません。

団信の適用状況は、契約先の金融機関に確認します。

リース・レンタル契約

最後に、リース・レンタル契約についてです。

契約内容によって、所有権や解約可否の取り扱いが異なります。リース契約では、契約期間中の中途解約ができない、または制限がある場合が多く、相続人が契約を引き継ぐ形となることがあります。

これに対し、レンタル契約は原則として解約可能であり、相続人が返却手続きを行うことで終了できます。

割賦購入契約の場合は、所有権が最終支払いまで販売業者に留保されるため、残額を確認のうえ、支払い・引き継ぎ・解約のいずれかを選択します。

まとめ

このように、貸付金・借入金などの金銭関係に加え、リースや保険契約なども含めて、相続では「契約の継続・終了・承継」を明確にすることが求められます。

各契約書類の所在を確認し、関係先に速やかに連絡することが円滑な相続手続きの第一歩です。


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