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相続手続き 2025.11.12

預貯金口座の調査と確認の基本手順

はじめに|

相続手続きにおいて、預貯金口座の調査は最初に行うべき重要な作業の一つです。被相続人(故人)の財産を正確に把握するためには、遺留品の確認からネット銀行や国外資産の確認まで、体系的に調査を進める必要があります。

以下では、その具体的な手順と留意点を整理します。

調査方法

まず、調査方法についてです。

故人の遺品の中から、通帳やキャッシュカードを探します。

財布や引き出し、神棚、仏壇、金庫などは特に確認すべき場所です。

また、金融機関から届いた郵便物やメール、定期的な明細書も重要な手掛かりになります。

インターネットバンキングを利用していた場合、ワンタイムパスワード生成機(トークン)やスマートフォンのアプリも確認対象となります。

これらの情報から、故人が利用していた銀行名や支店名、口座番号などを特定していきます。

ネット銀行

次に、ネット銀行の調査です。

ネット銀行の場合、紙の通帳が存在しないため、物理的な証拠が残っていないケースが多く見られます。

キャッシュカードがある場合は、カードに記載された銀行名やロゴから口座を特定します。

また、故人が使用していたパソコンやスマートフォンから、インターネットバンキングのログオン履歴を確認することも有効です。

代表的なネット銀行には、セブン銀行、PayPay銀行、楽天銀行、ソニー銀行などがあります。

これらの銀行では、相続専用の問い合わせ窓口を設けている場合もあります。

預金に関する注意点

続いて、名義預金に関する注意点です。

名義預金とは、実際には故人が資金を管理していたにもかかわらず、形式的に配偶者や子、孫などの名義で預けられている預金を指します。

たとえば、故人が子名義の口座に定期的に入金していた場合や、通帳・印鑑を故人自身が保管していた場合などは、実質的に故人の財産とみなされることがあります。

この場合、相続税の課税対象に含まれる可能性が高いため、相続税申告時には注意が必要です。

国外資産

さらに、国外資産の確認も行う必要があります。

海外に口座を有していた場合、近年では「CRS(共通報告基準:Common Reporting Standard)」という国際的な制度に基づき、各国の税務当局間で金融口座情報が自動的に交換されています。

これにより、日本の相続人も海外金融機関を通じて、故人名義の口座情報を確認できる仕組みが整いつつあります。

まとめ

このように、預貯金口座の調査では、通帳や郵便物などの物理的証拠に加え、デジタルデータや国際的情報交換制度も活用して、あらゆる角度から故人の金融資産を確認していくことが求められます。

調査を丁寧に進めることで、漏れのない遺産把握と円滑な相続手続きにつながります。


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