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不動産活用 2025.11.12

老朽化賃貸アパートの収益改善手法(リノベ・コンバージョン)

はじめに|

名古屋市をはじめとする都市部では、築30年以上の賃貸アパートが数多く存在しています。

オーナーの共通の悩みは「老朽化による空室増加」と「修繕コストの上昇」。単に家賃を下げるだけでは入居が決まらず、結果として収益は低下し続けます。

こうした中で注目されているのが「リノベーション」と「コンバージョン」という収益改善手法です。リノベーションは既存物件を現代のニーズに合わせて再生し、コンバージョンは用途を変更して新たな需要を取り込む方法です。本記事では、老朽化賃貸アパートを再生し、資産価値を高める具体的な手法と成功のポイントを解説します。

リノベーションとコンバージョン

老朽化したアパートの収益改善には、「設備・内装の刷新によるリノベーション」と「用途転換によるコンバージョン」の2つの方向性があります。

リノベーションは、若者や単身者向けにデザイン性や機能性を高める方法。

コンバージョンは、シェアハウス・高齢者住宅・SOHO(事務所兼住居)など、時代に合った需要へと切り替える方法です。

いずれも重要なのは「地域の需要を踏まえた投資判断」。

闇雲に費用をかけるのではなく、ターゲット層を明確にしたうえで改善を行えば、収益性と資産価値の両立が可能になります。

老朽化アパートが抱える課題

空室率の上昇:築年数の古さや設備の陳腐化により、新築物件に比べ入居が決まりにくい。

修繕費の増加:給排水管や電気設備の故障が増え、維持コストがかさむ。

資産価値の低下:収益性が低下すると、不動産としての評価額も下がり、売却時にも不利になる。

リノベーションによる改善

リノベーションは「古い建物を現代的にアップデートする」手法です。

単なる修繕ではなく、入居者のニーズを踏まえた改善がポイントです。

具体例:

・水回りの刷新(ユニットバスからセパレート化、システムキッチン導入)

・デザイン性の高い内装(アクセントクロス、間接照明)

・インターネット無料化、宅配ボックス設置

・バリアフリー対応(手すり、段差解消)

こうしたリノベーションは、賃料を上乗せできるケースが多く、競合との差別化にもつながります。

コンバージョンによる改善

コンバージョンは「建物の用途変更」による再生手法です。

賃貸住宅としての競争力が低い場合に有効です。

事例:

・シェアハウス化:1Kアパートを共用スペース付きに改修し、若者や外国人需要を取り込む。

・高齢者向け住宅:バリアフリー改修や見守りサービスを導入し、地域ニーズに応える。

・SOHO・テレワーク対応物件:コロナ以降、在宅ワーク向けの住居兼事務所の需要が拡大。

・学生マンション化:大学周辺では学生向け需要が安定しているため、家具付きに変更。

・コンバージョンは大規模投資が必要ですが、需要のある業態へと切り替えられれば安定収益が期待できます。

成功のポイント

・マーケット調査の徹底

周辺の家賃相場、ターゲット層、競合物件を調査し、どの改善が効果的かを見極める。

・投資回収の試算

リノベやコンバージョンにかかる初期投資と、家賃収入の増加分を比較し、回収期間をシミュレーション。

・段階的な改善

全面改修よりも、優先度の高い部分から段階的に投資する方がリスク分散になる。

私は司法書士として相続や登記業務に携わると同時に、大手不動産会社で不動産管理・賃貸・売買を担当してきました。

その経験から言えるのは、老朽化物件の再生において最も重要なのは「需要を見極める力」です。デザイン性の高いリノベーションも、入居者が望むポイントを外せば空室は解消しません。

逆に、ターゲット層を明確にし、費用対効果を考えた投資を行えば、築古の物件でも競争力を取り戻すことが可能です。

机上のプランではなく、現場で実際に入居者の反応を見ながら改善を積み重ねることが成功の鍵です。

よくある質問・Q&A

Q1:リノベーションとコンバージョン、どちらが効果的ですか?

→ 物件の立地と需要次第です。

立地が良く基本構造がしっかりしている場合はリノベ、競争力が低い場合はコンバージョンが有効です。

まとめ

老朽化した賃貸アパートでも、適切なリノベーションやコンバージョンを行えば収益改善は十分可能です。

重要なのは「闇雲に投資するのではなく、需要に応じた改善を行うこと」。

もし「自分の物件にどの方法が合うのか分からない」とお悩みであれば、専門家にご相談ください。

当事務所では司法書士としての法務サポートに加え、不動産再生の実務経験を活かした具体的なアドバイスを提供しています。


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