相続財産の調査方法を完全解説!預金・借金・不動産の漏れを防ぐコツ

はじめに
「親が亡くなったが、どの銀行に口座があるのか分からない」
「借金があるかもしれないが、どうやって調べればいいの?」
相続手続きにおいて、最初の、そして最大の難関が「相続財産の調査」です。もし財産の把握漏れがあると、せっかくまとまった遺産分割協議が無効になったり、知らない間に多額の借金を相続してしまったりするリスクがあります。
この記事では、司法書士の雁部が、アナログな手法から最新のデジタル遺産まで、プロが実践する「相続財産の調査方法」を徹底解説します。また、将来家族を困らせないための「生前の財産目録作成」についても触れます。
この記事を読めば、何から手を付けるべきかが明確になり、安心して手続きを進められるようになります。
目次
1. なぜ「正確な相続財産の調査」が重要なのか?
2. 調査の第一歩は「自宅の捜索」から始まる
3. 【種類別】金融資産(預貯金・株)の調査テクニック
4. 不動産と保険の調査ポイント
5. 絶対に見落とせない「借金・負債」の調査
6. スマホの中に眠る「デジタル遺産」の探し方
7. 【将来のために】遺言作成と財産一覧のすすめ
8. まとめ
1. なぜ「正確な相続財産の調査」が重要なのか?
相続が発生した際、まず行うべきは「相続人と相続財産の範囲を正確に把握すること」です。これには大きく2つの理由があります。
① 遺産分割協議のやり直しを防ぐため
遺産分割協議(遺産の分け方の話し合い)は、全財産を対象に行う必要があります。もし協議後に新たな財産が見つかると、協議の有効性が損なわれ、再度やり直しを余儀なくされるリスクがあります。
② 「相続放棄」の判断期限を守るため
相続財産にはプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。全体の財産がマイナスであれば「相続放棄」を検討する必要がありますが、この判断は原則として相続開始から3ヶ月以内に行わなければなりません。
正確な調査は、家族間のトラブルを防ぎ、あなた自身の生活を守るための土台となるのです。
2. 調査の第一歩は「自宅の捜索」から始まる
デジタル化が進んだ現代でも、相続財産の調査は驚くほどアナログな手法が中心です。まずは被相続人(亡くなった方)の自宅や生活圏から、物理的な手がかりを探すことから始めましょう。
プロが注目する捜索ポイント:
- 郵便物: 金融機関からの通知、固定資産税の納税通知書、保険会社からのハガキなど。
- 通帳・キャッシュカード: 取引履歴は情報の宝庫です。
- カレンダーや手帳: 銀行に行く予定や、保険の満期日がメモされていることがあります。
いきなり全ての金融機関に問い合わせるのは現実的ではありません。まずは手元の資料から「どこの金融機関と取引があったか」を絞り込む作業が重要です。
3. 【種類別】金融資産(預貯金・株)の調査テクニック
手がかりを元に、各金融機関へ詳細な調査を行います。
預貯金の調査 通帳が見つかった場合、残高だけでなく「取引履歴」を確認します。
- 定期的な入金: 年金が入金されていれば、それが受取口座です。入金がない場合、別の口座が存在する可能性があります。
- 公共料金の引き落とし: 引落履歴がなければ、別口座か現金払いの可能性があります。
- 不明な金融機関: 全国の金融機関へ一斉に照会する制度はまだ限定的です。自宅周辺の地銀やゆうちょ銀行など、取引の可能性が高い機関へ個別に照会(残高証明書の請求)を行います。
株式・投資信託の調査
• 証券会社が不明な場合: 「証券保管振替機構(ほふり)」に登録済加入者情報の開示請求を行うことで、口座がある証券会社を特定できます。
• 非上場株式: 会社経営者の場合、法人税申告書の別表を確認する等の推測が必要です。
(ほふりを使った株式調査 証券保管振替機構https://www.jasdec.com/procedure/shareholders/disclosure/direct/honnin/)

4. 不動産と保険の調査ポイント
不動産の調査
不動産の特定には、毎年4〜5月頃に役所から届く「固定資産税納税通知書」が最も確実な手がかりです。 この通知書と、法務局で取得できる「登記事項証明書(登記簿謄本)」を照らし合わせ、所在地や面積を整理します。ただし、非課税の道路(私道)などは通知書に載らないことがあるため、権利証(登記済証)も併せて確認すると安心です。
生命保険の調査
保険証券が見当たらない場合、「生命保険契約照会制度」を利用できます。これは、生命保険協会を通じて、加盟している全生命保険会社の契約有無を一括で調査できる便利な制度です。
損害保険(火災保険など)
一括照会制度はないため、郵便物や通帳の引き落とし履歴から推測します。持ち家がある場合は火災保険に加入している可能性が高いため要確認です。
5. 絶対に見落とせない「借金・負債」の調査
相続財産調査で最も怖いのが「隠れた借金」です。 借入状況は、以下の3つの信用情報機関に開示請求を行うことで調査できます。
• CIC(シー・アイ・シー): クレジットカード・信販系
• JICC(日本信用情報機構): 消費者金融系
• 全銀協(全国銀行協会): 銀行系

注意点 個人的な貸し借りは信用情報機関には登録されません。契約書や借用書がないか、自宅を入念に探す必要があります。
6. スマホの中に眠る「デジタル遺産」の探し方
ネット銀行や暗号資産(仮想通貨)などの「デジタル遺産」は、通帳や郵便物が届かないため発見が困難です。
調査のヒント:
• スマホやPCのメール履歴(「銀行」「証券」などで検索)
• ブラウザの「お気に入り」や閲覧履歴
• 銀行系アプリのインストール状況
もしパスワード(ロック)が解除できない場合、調査は非常に難航します。生前にIDやパスワードをエンディングノート等に残しておくことが、最大の対策となります。
7. 【将来のために】遺言作成と財産一覧のすすめ
ここまで解説した調査は、残された家族にとって大きな負担となります。 もしあなたが「家族に迷惑をかけたくない」「遺言(遺言書)を作りたい」と考えているなら、元気なうちに「財産一覧(財産目録)」を作成しておくことを強くおすすめします。
財産一覧を作成するメリット:
• 相続手続きの円滑化: 家族が探す手間が省け、手続き漏れを防げます。
• 遺言・家族信託の基礎: 自分の財産全体を俯瞰することで、適切な遺産分割や認知症対策の計画が立てられます。
• 節税対策: 資産総額が早期に分かれば、相続税対策も検討可能です。
あつたの杜事務所では、戸籍の収集から財産調査、目録の作成までを一括でサポートします。将来の安心のために、一度ご相談ください。
まとめ
相続財産の調査は、期限のある相続放棄や遺産分割を正確に行うための土台です。
【本記事の要点まとめ】
• 目的: 調査漏れによる遺産分割のやり直しや、借金の相続を防ぐこと。
• 基本: まずは自宅の郵便物や通帳など、アナログな手がかりを探す。
• 預金: 通帳の履歴から入出金先を確認し、不明な場合は金融機関へ照会。
• 株式: 「ほふり」を使えば証券会社を特定可能。
• 借金: 信用情報機関(CICなど)への開示請求が有効。
• 対策: 将来のために、元気なうちに「財産一覧」を作っておくことが最大の思いやり。
相続財産の調査は専門知識が必要で、精神的にも負担がかかる作業です。もし「自分だけでは不安」「時間がない」と感じたら、無理せず司法書士などの専門家にご相談ください。
あつたの杜事務所では、司法書士としての法務知識と、プロパティマネージャーとしての資産管理の視点から、あなたの家族に最適な相続プランをご提案します。
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