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コラム 2026.04.11

一度、司法書士を辞めました。私が『キャリアの逆走』を選んでまで手に入れたかったもの。

名古屋市にあるあつたの杜事務所は、夫婦で経営する司法書士および土地家屋調査士の専門事務所です。雁部有里香は相続手続きや成年後見を、雁部陽介は不動産登記や資産運用コンサルティングを専門とし、親身なサポートを提供しています。

はじめに

あつたの杜事務所で司法書士、そして土地家屋調査士をしております、雁部陽介(かりべ ようすけ)と申します。

区切りのタイミングなので一度今までのことを整理したいと思いまして書き始めました。

おそらく、私の経歴を初めて見る方は、少し首を傾げるかもしれません。

 「せっかく取った司法書士の資格を一度取り消して、別の業界に転職した?」

 「大手企業の営業マネージャーとして実績を上げながら、その安定を捨てて、また街の司法書士に戻ってきた?」

普通に考えれば、理解に苦しむキャリアの歩み方だと思います。資格を取って、実務を覚えて、管理職になって順調に出世していく。それが一般的な「成功のレール」だと思います。しかしいつも「逆張り」に見えるような道を選んできました。

「なぜ、そんな道を選ぶのか」

これから、私のこれまでの半生を少しだけお話しさせてください。失敗も、下積みも、恥ずかしいですがお話します。

【どん底からのスタート】慢心と挫折、そして始まり

私がまだ大学生だった2011年、当時の私は、典型的な「調子に乗っている若者」でした。公務員試験を受けていた私は、国家公務員1種2種から地方上級まで、筆記試験は受けたものすべて通過。「自分はできる人間だ」と完全に慢心していました。

その結果どうなったか。未熟・そして見通しの甘さから、裁判所事務官の2次試験しか面接を受けに行かなかったのです。最終合格こそしたものの、順位は思ったほど伸びず、待てど暮らせど採用の声はかかりませんでした。 そして2012年の春、私は内定もないまま、大学を卒業してしまったのです。

同級生たちがスーツを着て希望に満ちた新社会人生活をスタートさせる中、私だけが取り残されました。「このままだと、人生が終わる」。2012年の夏、押し潰されそうな焦燥感と絶望の中で、私は必死に次の一手を考えました。 今まで自分が勉強してきた法律の知識を活かせて、かつ受験資格の制限がないもの。そこで見つけたのが「司法書士」という資格でした。

しかし、現実は甘くありませんでした。2013年の最初の試験は不合格。このままでは何も成果が残せないと焦り、同時期に行政書士の試験を受けてなんとか合格をもぎ取りました。そして翌2014年、手ごたえがないまま結果発表を迎え、心臓が爆発しそうになるほどドキドキしながら自分の番号を見つけた瞬間、私は崩れ落ちるように安堵しました。司法書士試験に合格したのです。

【現場での泥臭い研鑽】弁当工場の夜勤明け、そして「修行」の日々

しかし、合格したからといってバラ色の人生が待っていたわけではありません。

司法書士の登録には半年程研修の期間がありました。 当時の私はコンビニの弁当やサンドイッチを作る工場で夜勤のアルバイトをしていました。 司法書士の新人研修が始まっても、すぐに夜勤は辞められません。私は作った食品をトラックに乗せる「仕分け」の仕事をしていましたが結構肉体労働で、夜通し体を動かしながら一睡もせずに研修会場へ向かう日々。「頭がおかしくなりそうだ」と何度も思いました。

結局、研修の途中の区切りの良いタイミングを見計らって、工場の仕事は退職することになりましたが、私の司法書士人生は、華やかさとは程遠い、泥臭いスタートだったのです。

その後、2015年に名古屋でも有数の大手司法書士事務所に採用をもらい、私の本格的な「修行」が始まりました。

与えられた仕事は、ハウスメーカーの担当です。毎月何十件もの不動産登記の携わりました。最初は右も左もわからず、先輩の背中を必死に追いかける毎日。そして、「もっと幅広い仕事ができるようになりたい」という思いから、銀行や他士業からの依頼も積極的に手を挙げて担当させてもらうようになりました。

不動産取引の最前線で、人が動き、お金が動き、権利が移り変わる瞬間に立ち会い続ける中で、私は不動産という「資産の可能性」に強く惹かれていきました。

現場を駆け回るうちに見えてきた壁もありました。司法書士は「権利」の登記はできても、建物を壊したり新しく建てたりした際の「表示」の登記は、土地家屋調査士の領域です。

お客様から見れば、「なぜ一つの不動産取引なのに、別々の専門家に頼まなければならないのか」と疑問に思うはずです。 「登記を一気通貫で対応できるようにしたい」。その一心で、仕事をしながら毎朝早起きをして勉強をして2017年に土地家屋調査士の資格を取得。さらに、競売不動産の周辺知識を得るために競売不動産取扱主任者の資格も取りました。

信頼していただけるお客様の気持ちに応えるため、自分の専門性を広げていく。それが私のスタンスでした。

【異例のキャリアチェンジ】司法書士の資格を取り消してまでの挑戦

独立して自分で事務所を持つか、このまま大手事務所でキャリアを積むか。そんな迷いを抱えていた2018年、私は大きな転機を迎えます。 不動産ファンドが関わる大型案件を担当した際、「アセットマネジメント」や「プロパティマネジメント」という言葉、そしてその世界を知ったのです。

衝撃でした。

我々司法書士が行う「登記手続き」は、不動産の長い一生の中で言えば、ほんの一瞬の出来事にすぎません。入口(取得)から運用(管理・収益化)、そして出口(売却)に至るまで、不動産の価値を最大化し、マネジメントしているプロたちがいる。

 「手続きに携わるだけで終わっていいのか? 不動産の運用や出口まで熟知した上で、法務手続きができる専門家になれば、唯一無二の存在になれるのではないか?」

 そう考えた私は、苦労して取った大切な司法書士の資格を「取り消し」、大手不動産マネジメント会社へと転職したのです。なぜそんなことをするのか不可解に思った方も多かったと思います。

2018年10月。転職先での日々は、想像以上に過酷でした。

士業という「先生」と呼ばれる世界しか知らなかった私は、ビジネスの最前線ではまったくの素人でした。周囲の同僚たちが信じられないほど優秀に見えました。会議での飛び交う専門用語、シビアな利益追求、クライアントからの厳しい要求。私はまっさらな状態から、必死に食らいつき、なんとか業務をこなす毎日を送りました。思い通りには活躍することができない日々。

転機は2019年、東京から新しい上司が赴任してきたことでした。仕事の進め方や考え方が私には非常にしっくりと馴染み、そこから一気に仕事が回り始めました。プロパティマネージャーとして社外から表彰されるまでになり、現場での泥臭い努力が少しずつ形になっていきました。

【大きな実績と、決断】巨大施設を動かした日々、そして「逆走」へ

2022年、私はマネージャーに昇格し、営業部の管理職となりました。

そこからの3年間は、まさに怒涛の日々でした。営業マネージャーとして、投資ファンドや私鉄などの厳しいクライアントを相手に、最前線で交渉を重ねました。全国でトップクラスの巨大な物流倉庫や、地域で注目のオフィスビルなど、管理業務受託や業務引き継ぎを成功させました。新築ビルでは、管理規則や仕様の策定からリーシング(テナント誘致)計画までを行い、無事に開業にこぎつけました。

2024年度には、未曽有の大量受注を経験。会社全体を巻き込んだ立ち上げプロジェクトとなり、私は営業部と新設されたプロパティマネジメント部署の管理職を兼務しながら、死に物狂いで業務を完遂しました。

そして2025年。私は営業マネージャーとして、一つの大きな成果を上げ、キャリアの節目を迎えました。

このまま組織に残り、さらに上の役職を目指すのが、誰もが考える「正しい道」でしょう。そのために、厳しい業務にチャレンジしたと思われていたとおもいます。 しかし、このとき私は入社した時の本来の目的を思い出しました。

「私は、管理職として組織を動かすためにここに来たのではない。現場の泥臭い実務経験を積み、不動産という資産運営の真髄を学ぶために来たのだ」と。

役職者としての安定や地位を得るために入ったわけではなく、現場の最前線の実務家として仕事をしたい。私は一番良い状態の「今」だからこそ、あえて退職し、司法書士の世界へ戻ることを決断しました。

普通とは逆の動き、「キャリアの逆走」です。

でも、私の中には確固たる考えがありました。 「組織を動かすマネージャーよりも、目の前の一人の財産と未来を動かす実務家でありたい」。 これが、私が司法書士の看板を下ろしてまで外の世界に飛び込み、そして再び戻ってきた最大の理由です。

【あつたの杜事務所の使命】一気通貫のサポートで、想いを未来へつなぐ

2026年4月。私は「あつたの杜事務所」に合流し、新たなスタートを切りました。

私たちの事務所が提供できる最大の価値は、「一気通貫のサポート体制」「ビジネス視点」です。

私は司法書士と土地家屋調査士のダブルライセンスを持っています。これにより、不動産の売却や活用時に必ず発生する建物の解体や表示変更(表示の登記)から、名義変更(権利の登記)までを、一つの窓口で完結させることができます。

そして何より、不動産マネジメントの最前線で培った「ビジネス視点」があります。 単に法律の枠内で書類を作るだけの「手続き」だけではありません。相続した不動産をどうすれば収益化できるか、どうすれば管理コストを適正化できるか。大手企業が用いるプロパティマネジメントのノウハウを、個人の不動産オーナー様や相続でお悩みの方に直接還元できるのです。

そして、司法書士としても土地家屋調査士としてもまだまだ学ばなければならないことは多いです。でも今までと同じように誠実に仕事を遂行しつつ、しっかり書籍にあたり知識を深め自ら勉強をして成長し続けていく所存です。

巨大な物流拠点を動かすのも、一つのご家庭の小さな実家の相続を完結させるのも、私にとっては全く同じ「大切な資産のバトンタッチ」です。 人が一生をかけて築いた財産、そこに込められた想い。それを無事に次の世代へと繋ぎ、活かしていく。これほどやりがいのある仕事はありません。

相続不動産をどうするか、売却や活用に不安を感じている個人の皆様へ。

 法律の難しい言葉は使いません。資産を守り、活かすための「最適解」へ導くためのサポートをいたします。

信頼できる実務パートナーを探している不動産会社・金融機関の皆様へ。

 皆様のビジネスの利益に直結する「大切な資産を守り抜く『守り』の目と、価値を最大化する『攻め』の視点のパートナー」としてご活用ください。

どん底の焦燥感から始まり、工場での夜勤、大手での修行、そして大企業でのマネジメント経験。遠回りに見える私のすべての過去は、皆様の大切な資産と想いを守るためにありました。

 あつたの杜事務所で、皆様とお会いできる日を心よりお待ちしております。

必ず力になります。


相続・資産承継のご相談は「あつたの杜事務所」へ

不動産と相続に強い司法書士が、ご家族の想いに寄り添いながら、最適な解決策をご提案します。
「何から始めればいいか分からない…」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

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🔹あつたの杜事務所(司法書士)
〒456-0031 名古屋市熱田区神宮四丁目6番25号 ナガツビル2B
相続・遺言・家族信託・不動産承継の専門家として、
「しなやかに。資産と想いをつなぐ。」をテーマにサポートしています。